雨上がりの陽だまりで。~誰よりも優しい君に~
律は嬉しそうに、どこか寂しそうに
紫色は苦しそうに
笑った。
私は必死に涙をこらえて気づかれないように
俯いて、下唇をかんだ。
『おめでとう』
と、少し震えた大好きな声を聞きながら
必死に堪えていた。
短学活が終わって私は教室を飛び出す。
誰にも気づかれないように
挨拶もせず、ただ…教室からでた。
あの教室に居たくなくて。
紫色を見たくなくて。
この涙を見られたくなくて。
ただ、逃げたかった───