雨上がりの陽だまりで。~誰よりも優しい君に~


また来る、と微笑んで私の頭をクシャっと撫でる。

そうして紫色は部屋から出ていった。


わからない。
紫色は何を抱えているんだろう。

黒い瞳に見え隠れする、
綺麗で。
儚くて。
悲しい。

切ない感情を。


ねぇ、紫色。

「君は今、何を思ってるの……?」


カーテンを久々に開けると、どんよりとした雲から雨が降っている。

空が泣いているみたい……
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