雨上がりの陽だまりで。~誰よりも優しい君に~
《あ、紫色くん部活やめたの知ってる?》
────え?
《最近すぐ放課後どこか行ってるみたいだけど》
それって…私のところ?
「私のとこ…来てる」
《あ、やっぱり…?》
え?
《だって、紫色くんが2人見てる時すごく辛そうだったもん》
2人って……私と、律?
「そっか……電話ありがとう」
《うんっ、早く元気になれよ!》
ねぇ、紫色。
私はどれだけの君のことを傷つけたんだろう。
君はどれだけ1人で背負ってきたんだろう。
切れた電話の音を聞きながら、私は呆然と黒い画面を見ていた。