雨上がりの陽だまりで。~誰よりも優しい君に~
この近くの墓地って…
そこにいるのかもわからないけれど、無意識に走っていた。
夕方の雨は少し冷たくて体が冷えきってしまう。
「紫色…っ、どこ!」
それでも…今、君に会いたい。
だって、部活をやめたなんて。
誰よりも袴が似合ってて。
誰よりも弓道が好きで。
あんなに楽しそうに弓を打ってたのに?
主将になれたって、笑ってたじゃんか。
私、紫色が弓道してる姿…大好きだったのに
私が、それを奪ってしまった。
「ごめっ……ごめんっ」