雨上がりの陽だまりで。~誰よりも優しい君に~


「紫色……泣いていいよ」

私の言葉にもっと涙をこぼして

「そんな事言うなよ…っ、止まんなくなんだろ……」

そう言って君は私の体をぎゅっと抱きしめる。



「私は紫色が辛い時、紫色が私にしてくれたみたいに…ずっとそばに居るから」

だから。

「だから、1人で抱え込まないで…」



「………………っ……」

紫色の声にならない声が悲しくて。

「一緒に…泣こ………っ」


子供みたいに2人で泣きじゃくった。




「俺以上に泣いてんじゃねぇよ…」

私の方が結局いっぱい泣いちゃって
最後は紫色が、慰めてくれたのだけど。


「……大丈夫だから」

びしょ濡れで冷えきった震える私の体を
紫色は震える体で抱きしめる。


「2人が震えてても、抱きしめれば平気だろ?」



私の耳元でそう呟く紫色に

私は涙を流しながら頷いたんだ。
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