雨上がりの陽だまりで。~誰よりも優しい君に~


「もう夏だけど、さすがに寒いね…」

雨に打たれっぱなしだった体は冷えきっている。


「温めてやろうか…?」


そんな言葉と一緒に降ってきたキスは

今までで一番甘いような気がした。


いつも、いつも、紫色とのキスは

“涙の味”がしてたから。



それにしても、紫色ってキス魔なのかな。

「俺、キス魔だから…覚悟しとけ」

!!!??


こ、心を読めるのか!

「口に出してる」

紫色は可笑しそうに笑って
私の頭をくしゃっと乱暴に撫でた。
< 152 / 211 >

この作品をシェア

pagetop