雨上がりの陽だまりで。~誰よりも優しい君に~
「紫色〜、上がったよー」
「ん、おいで」
黒いパーカーに着替えてテレビを見ていた紫色は私を手招きする。
素直にそこに行くと腕を引かれ後ろから抱きしめられた。
「し、紫色?」
「髪乾かすから、動くな」
ドライヤーのスイッチを入れて私の髪を乾かしていく紫色。
「俺、雨の髪好き」
「え?」
「さらさらでいい匂いするし、綺麗だ」
紫色は私の髪をさらっと指ですくい上げる。
「この長い髪も、綺麗な黒色も…好き」
乾いた私の髪に顔を埋めて
ぎゅっと強く私を腕の中に閉じ込める。
「俺、雨のことほんとに好き」
胸が高鳴る。
「紫色……」
「大好きなんだ」
「ありがとう……」
後ろから抱き締める紫色の腕をぎゅっと握った。
「これ以上、好きにさせんなよ……」
照れたようにぎゅっと私を抱きしめて、耳元でそう囁く紫色は甘すぎて…心臓が破裂しそう。
「そばに居るから、そばに居てよ」
そんな言葉を簡単に言っちゃう君には、一生かなわないのだろうね。