雨上がりの陽だまりで。~誰よりも優しい君に~


寝室のドアを開けるとダブルベッドがあった。

ダブル……


そう言えば、
『親戚が金持ちなんだよ』って言ってたっけ。


『親戚と住んでることになってるけど』

お金や家とか家具だけ、
補助してくれてるのかな…………

想像以上に大変で、紫色は頑張ってきたんだろうな。


してこなかった家事を急にしないといけなくなって。
中学生でひとり暮らしして、寂しかったんじゃないかな……


当時の紫色のことを思うと胸が張り裂けそうになる。

「どれだけ…無理してきたんだろう……」


それで、病気の律を支えて。

自分の気持ち犠牲にして。



きっと、紫色は誰より不器用で。

誰よりも、優しいのだろう。
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