雨上がりの陽だまりで。~誰よりも優しい君に~


「雨……律のこと、忘れなくていいから」

「ってか忘れないで欲しい」


「好きだ、雨」





「俺が誰よりも幸せにしてやる──」



薄れる意識の中、紫色の優しい声に

ひと粒涙がこぼれた。



ねぇ、紫色。

君はどれだけの事を1人で抱えてたの?


私が紫色だったら、好きな人が親友と付き合うのも耐えられないし

両親が死ぬのだって、

親友が病気だっていうのも…


抱えきれないよ。

君はいつも落ち着いてて、優しく笑って
クールで少し無愛想で

時々キャラが変わって

優しくなったり、意地悪だったりするけど

その裏で、どれほどの涙を流したの?


もう、ひとりで泣かせないから。

だから…私を頼って───
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