雨上がりの陽だまりで。~誰よりも優しい君に~
夢を見た。
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『律…?』
『……雨…久しぶり』
私は律に抱きついた。
『……律…っ!』
『なぁ、雨…』
君は私の耳元で優しい声を出す。
『なぁに?』
『雨は、今目を閉じたら…誰が浮かぶ?』
『…律に決まってる!』
『ははっ、嬉しいな!…でもな、違うんだよ』
『え?』
『雨は気付くのに時間がかかってしまうかもしれねぇけど……でも、気付いたら俺のことなんか考えずに自分の気持ちに正直になれ』
『私の気持ち…?』
『そう、雨の気持ち』
『きっと、雨ならわかるはずだから』
『律…』
『わかったなら、そのピアス…外せよ』
『え……』
『俺を“思い出”にするんだ』
『思い出……』
『そう、“過去”にできる?』
『……うん』
『雨……愛してたよ』
律は優しく、綺麗に笑った。
『私も…私も愛してた!』
光に包まれた律は最後に優しくキスをして
『誰よりも、幸せになれ』
そう、消えていった──