雨上がりの陽だまりで。~誰よりも優しい君に~


「……ん…」

眩しさに目を開けると、白い光がカーテンから漏れていた。


横を見ると子供のように眠る綺麗な少年。

「おはよう、紫色」


私は紫色の頬を撫でて、微笑んだ。

無防備に眠る君は、可愛すぎてぎゅっと抱きしめた。


やっぱり…イケメンだなぁ。
紫色とおでこをくっつけると君は無意識なのか私をぎゅっと抱きしめる。

「い、痛い…」

紫色から抜け出そうとしたら、紫色の苦しそうな声が聞こえた。



「ひ、とり…に……すん、な…」

え?

「───いかないで」

そう涙を流す紫色。


ねぇ、紫色。

君は無理をしすぎる。


「大丈夫、ここに居るよ」
夢の中でも苦しそうな紫色を抱きしめてそう言った。


「1人になんて、しない」

聞こえることはないけど。


「離れていかないから…」

届くことはないけど。



「私がいるよ……紫色」

紫色の泣き顔はあまりに切なくて、綺麗で。

紫色の涙を拭うと、君は私の腕を掴んで



キスをしたんだ───



泣きながら、優しいキスを。

「……紫、色?」


「雨……大好き」

瞳を開けて、私を見つめる君。
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