雨上がりの陽だまりで。~誰よりも優しい君に~


いつから、起きてたんだろ……

恥ずかしい……


赤くなった顔を隠すために布団に潜ると紫色はぎゅっと強く抱きしめる。

「ありがとう……雨」

え?


「ここに、居ろよ……」

そう言った紫色の声は少し震えていて
すごく優しくて、悲しかった。


紫色は温かい。


紫色が紡ぐ言葉も、私に触れる手も、

キスをする唇も


冷たいけど、とても温かいんだ。


紫色に抱きしめられて
キスをされて

“好き”って“大好き”って言われると

すごくドキドキして、キュってなって。


涙が溢れて。

すごく、安心するの。
< 162 / 211 >

この作品をシェア

pagetop