雨上がりの陽だまりで。~誰よりも優しい君に~

10滴目

───────
───


あっという間に季節は過ぎ

「律が死んで…1年だな」


センター試験も間近。


「紫色も地元の大学だったよね?」

「あー、雨もだろ?」


「うん!」

「大学も一緒に居られるな…」

そう嬉しそうに君は私の頭を撫でる。


昨日、律の命日でした。

2人でお墓に行って、律にたくさん話したんだ。

『ありがとう』って。


たくさん、伝えた。


もう…泣かないって決めたから。

律の前では笑顔でいるって決めたから。


笑って、お墓参りできたと思う。
< 166 / 211 >

この作品をシェア

pagetop