雨上がりの陽だまりで。~誰よりも優しい君に~

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「お前なら、大丈夫だ」


試験前に君は私のおでこにキスをして

「これで俺も大丈夫だ」

っていたずらに笑った。


うん、紫色のおかげで大丈夫な気がするよ。


「始め」

鉛筆の書く音がする。


たくさん、紫色と勉強したんだ。

大丈夫。

きっと、受かる。



『センター終わったら、ご褒美くれよ』


妖艶に笑った君の綺麗な顔が浮かんでくる。

そうだ、あれをあげないといけない。


1年前に、あげれなかった。

君は、どんな反応をするんだろう。


優しく笑う?
抱きしめる?
キスをする?

全部、容易に想像できて笑ってしまう。

「やめ」



試験が終わると紫色が入口で待っててくれた。
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