雨上がりの陽だまりで。~誰よりも優しい君に~


「あっ!紫色!!」

今日は泊まることになったから
お兄ちゃんに連絡した後、あれを思い出した私。


「どした?」

不思議そうに私を見るお風呂上がりの紫色。

色っぽくて、かっこよすぎて…


見れない………

「何、どうしたんだよ」

可笑しそうに笑って私を抱き寄せる。


私は手に握ったそれを紫色に差し出す。


「………ピアス…?」

そう、1年前に渡すはずだったクリスマスプレゼントだ。

結局あれから色々あったから渡せなくて。

今渡そうと思ったのだ。


「俺に…?」

こくん、と頷くと君は頬を少し染めて

「ありがとう」

そう、すごく幸せそうに笑った。


「毎日つける」

そう嬉しそうにピアスを眺めていた。

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