雨上がりの陽だまりで。~誰よりも優しい君に~
《卒業生、入場》
放送部の顧問の先生の美声が体育館に響く。
1組から順に入場して行って、席に座る。
式はトントンと進んでいき
《答辞》
《卒業生代表、逢瀬 紫色》
君は名前を呼ばれると綺麗な声で
「はい」
そう胸を張って返事をした。
階段を上がって壇上に上がる。
紫色が壇上に、上がるだけで女子は騒ぐ。
「雪も溶け、冷たい北風から爽やかな春風になろうとしています──」
「先生方、来賓の皆様、保護者の皆様、そして在校生の皆様…関わってくださった全ての皆様」
「今日まで僕達を支えていただき、ありがとうございました」
紫色の綺麗な声が体育館中に響く。