雨上がりの陽だまりで。~誰よりも優しい君に~


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夕焼けに照らされて空が赤く燃える頃。

3つの影が黒く伸びている。


「こら、律!走んじゃねぇ」

「パパ、ママ!早くー!」


お前ら2人の間に小さな影が増えた。


そいつに“律”って

俺の名をつけて。


お前ら2人の子供なんだから、

イケメンで、優しいやつになるんだろう。


長い黒髪をなびかせる綺麗なその人は

“パパ”と“律”を見て愛しそうに微笑んでいる。


その笑顔はもう俺に向けられていないけど。



『雨が、幸せなら……いいか…』

俺は、笑って3人を見つめる。
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