雨上がりの陽だまりで。~誰よりも優しい君に~


「雪じゃなくて、雨が降ったな」


雨は嫌いだ。

なぜか、不安になる。


1つの傘で手を繋いで歩く帰り道。

雨の音だけが世界に響いているようで。


きゅっと律の手を握った。



「じゃあ…」

私の家の前でいつものようにお別れ。



「うん、バイバイ」

寂しくて、手を離したくなくて。


ぎゅっと力を入れる。
< 71 / 211 >

この作品をシェア

pagetop