雨上がりの陽だまりで。~誰よりも優しい君に~
5滴目
年も明けて、冬休みが終わった。
あの日から律と会うことはなくて。
今日の始業式に久しぶりに会うことになる。
また、遅刻かな……
律の席を見てクスッと笑う。
「おはよう、紫色」
プレゼントをあげないと。
「紫色……こ、れ?」
リュックからピアスを出そうと紫色を見ると
悲しそうに目を伏せていて、長いまつげの影ができていた。
「紫色……?」
「………雨……」
私に気付くともっと苦しそうに顔を歪める。
「どうしたの?」
そう聞くと、このタイミングであっくんが入ってきた。
「お前ら席つけ」
いつもよりピリッとしたあっくんの声に
みんな静かに席につき始める。