雨上がりの陽だまりで。~誰よりも優しい君に~


「律………っ」

ベッドに座って立てた膝に顔を埋める。


そう、声を押し殺していつまでも泣いていた。



コンコンと、ドアを叩く音がする。


…お母さん?

「雨、入るよ……?」

そう、綺麗な男の人の声。


その落ち着く声は……




「……紫色…………」



「雨……痩せたな」

そう悲しそうに笑う紫色。
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