きっと、君に恋をする。


あの時、馬鹿みたいに嬉しくて…

泣いちゃって…
あおが抱きしめてくれたんだっけ。

それから、あぁなってしまったんだけど。


「それって…“れるは特別”って聞こえるね」

桜が悲しそうに笑って言う。

あ、桜……


「幼なじみだし、兄妹みたいなものだよ」

私がそういえば桜はそっか、と微笑んだ。


「兄妹……ね」

あおはそう呟いたかと思うと、
私を痛いくらいに抱きしめて誰にもわからないように首にキスを落とした。


「なっ、ば……あお?」

悲しそうに笑うあおに気付いて頬を撫でた。

「何かあった?」

と席から立ち上がって、そう聞けば「あった」と正面から抱きしめられた。

桜、居るんだけどな。


「あおは、一人じゃないよ…」

さらさらのダークブラウンの髪を撫でる。
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