きっと、君に恋をする。


「……れる」

寂しげに揺れた声が教室に響いた気がした。


「あお、私はあおがそばにいてくれる人を見つけるまで……ずっと隣にいるよ」

「…なら、そんな人いらねぇから…れるが傍に居てよ」


あおの言葉に勘違いしそうになる。

「あおは一人になんかなれない…あおを好きって言ってくれる人は、きっと近くにいるはずだよ」


そう微笑むとあおの温もりが離れていく。

「ごめん、桜…今日は中止でいい?」

眉を下げて桜を見ると悲しげに瞳を揺らしてて。



桜の好きな人…

「聞かなくてもわかっちゃったし、応援するね」

そう、頑張って笑った。
< 15 / 421 >

この作品をシェア

pagetop