きっと、君に恋をする。

何分くらいたったんだろう。

いや、まだ1分もたっていないのかな。


どれほどの時間、沈黙だったのかわからないけれどやっと雪が口を開いた。




「後夜祭が終わったら」



「俺の話を、聞いてくれないか」


いつもより低めの声。

伏せた目。

きゅっと結んだ唇。

ぎゅっと握られた両手。


雪の早い鼓動が聞こえてくるようだった。



「…うん、聞くよ。ちゃんと聞く」

握られた両手の指を絡ませる。

「絶対、聞くよ」


私より幾分も背の高い雪を見上げた。

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