きっと、君に恋をする。
無縁だと思っていたこんな温かな感情を知れた。
好きな人の言動に一喜一憂するのも悪くない。
着替えてから部屋を出て、いつもより早く起きた分ゆっくりと朝ごはんを食べる。
準備を終えてリュックだけを持って家を出た。
「いってきます」
誰もいない家から返事が来るわけはないけれど、それでも至る所に飾ってある家族写真に言ういつもの言葉。
「れる」
音を立ててドアが閉まると同時に聞こえてきた彼の呼ぶ声にトクンと胸が鳴る。
「おはよう、雪」
「はよ」
少し頬を染めて綺麗な唇は弧を描く。