きっと、君に恋をする。
「雪」
彼の名前を呼ぶと、薄暗い教室の黒板の前に立っていた雪は嬉しそうに笑う。
「早かったな」
「…近くにいたから」
そう言いながら雪の横に行くと、雪はすっと私の頬を撫でる。
「……泣いてた」
体育館でのことだろうか。
「感動しちゃった」
「…ほんとに、それだけ?」
見透かすような真っ黒な瞳で見つめる雪を見つめ返して微笑む。
「ほんと」
「そか、よかった」
ホッと息をついてすりすりと頬を指で撫でる。
「…悲しそうな顔、してたから」