きっと、君に恋をする。
どちらからともなく寄せあって閉じた瞳には、もう何も映らなくて。
ただ、唇に触れた温もりを、感じていた。
長いのか、短いのか、わからない。
一度離れた唇はもう一度角度を変えて降ってくる。
私は何も考えず、ただ今そばにある幸せを噛み締めていた。
雪の右手は私の左手を離して、栗色の髪へ滑り込む。
首の後ろから指に絡めた髪と一緒に抑えられた後頭部。
そのまま唇から彼の胸へと収まった私の体は安心しきったように委ねて。
雪の裾を緩く握った。