きっと、君に恋をする。


「……雪」


「…ん」




ヒューーー〜…バァン


花火が音を立てて私たちを色とりどりに照らす。


言葉を発することも忘れて、私たちは手を繋いで夜空に咲く火花をただ見つめていた。


綺麗。

…綺麗、だなぁ。


私の片目から零れた涙に、彼は気付いたのだろうか。

見えていないことを願ってしっかりと目に焼き付ける。


来年は、もうきっと。

花火を見る時も、隣に彼はいないから。

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