きっと、君に恋をする。


「雪」


「…私たち、もう離れ───」


ぐっと手繰り寄せられた肩は彼に抱かれて 言いかけた言葉は消える。



「聞きたくない」



花火の音と共に聞こえた綺麗なその声。


「せ、つ…」

「そばに居るって言ったろ」


痛いほどに強く強く抱きしめられて、どうしていいかわからなくなる。

だって。

もう、その理由はないんだって。


雪が私の隣に居てくれる理由は、もう無くなっちゃったんだって……。


< 346 / 421 >

この作品をシェア

pagetop