きっと、君に恋をする。
立ち入り禁止の札を無視して、屋上のドアを少しだけ乱暴に開けた音は花火の音にかき消された。
花火に1番近いこの場所で、彼は空を見上げている。
黒色の髪の毛とパーカーが夜空に混じりあって溶け込んでいた。
大きく息を吸って肩をあげる。
「雪…っ!!!」
私の声に振り向いた彼の目は少し濡れていて、自分に向かって走ってくる私に驚いているようで。
濡れた目を見開く雪のネクタイをぐっと引いて
大きな花火が上がると同時に
彼の唇を奪った。