*私の総長さん*【完】
佳代…

今まですまなかった…

お前の事忘れる事はなくても…お前の墓参りに来る事がずっと出来なかった

けど、今ケジメをつけに来た…

決してお前を忘れるわけじゃねー。

ただ、未来を見ようと思う…

過去はもう…戻らないもんな…

だから…未来だけを見ようと思う…

お前を想ったように…大事に出来る人が出来た…

いや…お前以上に想える人かな…正直に言えば…

って…比べてもしょーがないけどよ…

佳代…

お前、俺が幸せにしてやれなかった分、

あの世では幸せになるんだぞ…

俺を憎みたいなら憎んでもいい…

恨みたいなら恨んだって構わない…

けど、毎年こうやってお前の命日には来てもいいか?

お前の好きだったバラと一緒に…

あと、これだけは言わせろ…

「ありがとな…」



そして…



「さよなら…」





風をもない墓場でバラの花びらが揺れていた…




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