東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~
俺があなたを守ります
それから数日が経った。

いつものように出社すると、いろいろな人が私を見ていることに気づいた。

何だろう、一体…?

彼らは私と目があったとたん、気まずそうな様子ですぐに目をそらした。

まるで、嫌なものを見てしまったとでも言いたげだ。

感じ悪いなあ。

服に値札でもついているのかと探してみたが、そんなものはどこにも見当たらない。

ご飯粒が顔についているのかと思ったがそうでもないし、頭に寝癖がついていると言う訳でもない。

もう、何なのよ。

そう思いながらエレベーターに乗ろうとしたら、
「あっ、つづりさん!」

聞き覚えのあるその声に振り返ると、副社長だった。

「あっ…おはようございます」

ここ数日頭を悩ませていた人物の登場に戸惑いながら、私はあいさつをした。
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