東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~
それから迎えた週明け。

会社に出勤すると、やけに騒がしかった。

何だろう?

もう産業スパイ疑惑は解決したはずだよね?

そう思いながらオフィスに足を踏み入れたら、
「あっ、つづり先輩!」

私の姿を見つけたとたん、後輩の派遣社員仲間であるミカちゃんが話しかけてきた。

「おはよう、今度は何があったの?」

そう声をかけた私に、
「おはようございます!

つづり先輩、知らないんですか?」

ミカちゃんは何でとでも言いたそうに質問を返してきた。

「いや、知らないから聞いているんだけど…」

そうツッコミを入れた私の耳に入ってきたのは、
「副社長が結婚をするんだそうですよ!」

衝撃的な事実だった。

「…えっ?」

誰が、結婚をするんですって…?

後頭部を鈍器のようなもので殴られたとは、まさにこう言うことを意味するんだと思った。
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