東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~
「本当は反抗したかったんじゃないか、甘えたかったんじゃないかって思うんだ…。

でも、僕はそんな機会をあの子に与えることができなかった…。

あの子の大事な時期を奪ってしまったんじゃないかと思ったら…」

「そんなことはありません」

私は首を横に振った。

「光明さんは、優しくて素敵な人です」

そう言った私を社長が見つめてきた。

「社長――お父さんのことを大切に思っているから、いつも仕事で忙しいお父さんを楽にしてあげたいから、勉強して会社に入って、会社のことを知るために総務部で8年も頑張ったんです。

光明さんは父親思いの心優しい人だと、思っています。

そんな光明さんを男手1つで育ててくれた社長も、優しくて素敵な人です」

私は言った。
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