東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~
「えっ…」

マジかよ。

ノートパソコンを起動させると、父からメールが届いていた。

おいおい…。

父から届いたメールをクリックすると、画像が出てきた。

「今、開いたよ」

パソコンの画面を見ながら俺が声をかけると、
「なかなか素敵なお嬢さんだろ?」

父は得意気に言った。

「まあ…」

俺は画面に映っている目の前の画像こと桜井つづりを見つめた。

一重の切れ長の目に黒髪ストレートのロングヘアーが印象的な丸顔の女性だった。

日本人形みたいな人だなと、俺は思った。

「それで、来週には帰ってくるんだろう?」

そう聞いてきた父に、
「出張だからね」

俺は答えた。

「来週は特に予定は入っていないんだよな?」

続けて聞いてきた父に、
「今のところは」

俺は返事をした。
< 172 / 271 >

この作品をシェア

pagetop