東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~
「ただいまー」

時計が夜の11時を過ぎた頃、俺は家に帰った。

「おう、お帰り」

パジャマ姿の父が迎えてくれた。

「先に寝ていればいいのに」

靴を脱ぎながら俺が言ったら、
「だって、気になって眠れないんだもん」

父は言い返した。

「どうだった?

つづりちゃんと一緒にいて楽しかった?」

自室へと向かっていたら父がその後を追いながら聞いてきた。

「いい子だったよ」

俺がそう答えたら、
「つづりちゃんとどんな話をしたの?」

父が続けて聞いてきた。

「どんな話って、いろいろなことを話したよ。

家庭環境のこととか好きなこととか…まあ、そんな感じかな」

自室のドアを開けて入ったら、父も一緒になって入ってきた。
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