東京恋愛専科～または恋は言ってみりゃボディブロー～

まさか、つづりさんから電話がくるとは…。

もしかしたら、噂のことを言われるかも知れない。

そう思ったら電話に出るのが怖い…けれども、つづりさんからの電話に出ないと言う訳にはいかなかった。

俺は深呼吸をすると、指で画面をタップした。

スマートフォンを耳に当てると、
「もしもし？」

つづりさんに向かって声をかけた。

「もしもし…えっと、光明さんですか？」

名前を呼んでくれると言うことは、父を通じての噂の否定が伝わったのだと思った。

そのことにホッと胸をなで下ろしながら、
「何か用事ですか？」

俺は聞いた。

電話越しでだけど、つづりさんが深呼吸をしたのがわかった。

「今すぐに、お会いすることってできませんか？

どうしても光明さんに会って、伝えたいことがあるんです」