東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~
私が出した答え
「お疲れ様でしたー」

仕事を終えると、オフィスを後にして更衣室へと足を向かわせた。

着替えを済ませると、カバンからスマートフォンを取り出した。

「まだ仕事中だよね」

派遣社員の私は今日の業務は終わりだけど、副社長はまだ仕事中のはずだ。

今夜に電話をして会う機会を作ろうと思いながら、スマートフォンをカバンの中に入れた。

会社を後にして駅へと向かっていたら、
「桜井さん」

聞き覚えのある声が後ろから聞こえたので、そちらの方に視線を向けた。

「村坂さん…」

「こんばんは」

私と目があったとたんに村坂さんがあいさつをしてきたので、
「こんばんは」

私もあいさつを返した。

「この辺に用事があってきたんだ。

君がよければの話だけど、少しだけ話をしないか?」

「別に、構いませんが…」

そう言った村坂さんに、私は返事をした。
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