東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~
「…な、何がですか?」

言われた私は訳がわからなかった。

何を言われたのだろうか?

訳がわからなくて首を傾げたら、
「君も一緒に、神戸に行かないかい?」

村坂さんが言った。

「一緒にって…私が、ですか?」

「他に誰がいると言うんだい?」

「…ですよね」

村坂さんと一緒に神戸に行く、か…。

それは悪くない話かも知れない、でも…。

頭の中で、副社長の顔が浮かんだ。

「お互いにとって、悪い話ではないと思うよ。

まあ、なれない場所で戸惑うことや苦労することはあるとは思うけど…僕がついているから大丈夫だ。

どうだ?

僕と一緒に神戸に行って、神戸で暮らさないか?」

村坂さんが私に手を差し出してきた。
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