東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~
「え…ええ、構いませんよ。

どちらに向かえばいいですか?」

よかった、会ってくれる…。

そのことにホッと胸をなで下ろすと、
「会社の近くの公園にいます。

噴水がある大きな公園なんですけれど」

自分が今いる場所を副社長に伝えた。

「わかりました、そちらの方に向かいます。

つづりさん、待っててください」

「はい、待ってます」

電話が切れたので、スマートフォンをカバンの中に入れた。

もうすぐで副社長に会えるのだと思ったら、心臓がドキドキと早鐘を打ち始めた。

「大丈夫…。

大丈夫だから…」

胸のうえに手を当てて、自分自身に言い聞かせるように呟いた。

もう迷わない。

もう逃げない。

副社長にちゃんと“あなたが好きです”って言うのだから――。
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