東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~
副社長も私のことが好きだったとは、夢にも思ってなかった。

私と同じ気持ちだったなんて、予想していなかった。

「――本当、ですよね…?」

呟くように聞いた私に、
「本当です」

副社長は答えた。

「信じますよ?」

続けて聞いた私に、
「信じてください」

副社長が先ほどと同じように答えた。

「俺も、つづりさんのその気持ちを信じていいんですよね?」

そう聞いてきた副社長に、
「はい」

私は首を縦に振ってうなずいた。

「俺はつづりさんが好きで、つづりさんも俺のことが好き…と、そう思っていいんですよね?」

「はい、思ってください」

私が返事をしたことを確認すると、副社長はもう1度私を抱きしめた。
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