東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~
「――つづりさん」

「はい」

「つづりさんが好きです」

「私も、光明さんが好きです」

「はい」

副社長と目があったその瞬間、一緒に微笑みあった。

「――キス、してもいいですか?」

そう聞いてきた副社長に、
「――いいですよ」

私は返事をした。

副社長のキレイな顔が少しずつ近づいてくる。

その顔を記憶に刻み込むように、私は目を閉じた。

「――ッ…」

唇に、温かいぬくもりが触れた。

副社長とキスを交わすのは2度目だけど、1度目の時とは違う。

あの時は副社長の気持ちがわからなかったけれど、彼の気持ちがわかった今はとても幸せだ。

頭と心にフワフワとしたその心地を感じながら、副社長の唇から伝わるぬくもりを感じていた。
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