東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~
テーブルのうえに取り出したものが置かれる。

小さな箱だった。

これって、もしかして…!?

「桜井つづりさん」

副社長は私の名前を呼ぶと、箱を開けた。

「えっ…!?」

箱の中に入っていたのは、小ぶりなダイヤがついた指輪だった。

思わず副社長の顔を見つめると、
「俺と結婚してください」

彼は真剣な表情で、唇を動かして音を発した。

「わ…私で、いいんですか?」

震える声で聞き返したら、
「あなただから、いいんです。

あなたとなら、幸せな家庭を築けると思うから」

副社長は答えてくれた。

「光明さん…」

私は震える声で名前を呼ぶと、
「はい、私を大好きな人のお嫁さんにしてください」

首を縦に振って、返事をした。
< 255 / 271 >

この作品をシェア

pagetop