東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~
「何だったんですか?」

彼の後ろ姿を見送った光明さんが私に聞いてきた。

「私もよくわからないです…」

結局何だったのやら…。

と言うか、一体何をしたかったのかしら?

そう思って首を傾げていたら、
「つづりさん、豚まんです」

光明さんがホカホカの豚まんを差し出してきた。

「わーっ、ありがとうございますー」

彼の手からいい匂いがする豚まんを受け取ると、私はお礼を言った。

豚まんは思っていた以上に大きくて、これはかなりの食べ応えがありそうだと思った。

「いただきまーす」

私たちは一緒に豚まんをかじった。

「アチチ、でも美味しいですね」

そう声をかけてきた光明さんに、
「そうですね、美味しいです」

私は返事をした。
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