東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~
バスタオルとルームキーを持って2階にある露天風呂へと足を向かわせた。

「お風呂からあがったら、あそこの自販機で待つと言うことで」

「はい、わかりました」

私たちはその場で別れると、男湯と女湯に別れている暖簾をくぐって中に入った。

露天風呂はとても気持ちがよくて、外の景色がよく見えた。

オレンジ色だった空は藍色に染まり、少しだった街の灯りは増えていて、とてもキレイな夜景になっていた。

こんな場所で入るお風呂って贅沢だな。

神戸にきてよかったと思いながら、私は露天風呂を後にした。

着替えを済ませて、暖簾をくぐって出ると光明さんはまだきていなかった。

待ちあわせ場所の自販機でスポーツドリンクを買うと、彼が出てくるのを待った。

その時だった。

「桜井さん、だよね?」

受付で聞いたその声が後ろから聞こえたので、驚いて振り返った。
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