東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~
でも隠すことはないので、
「はい、そうです」

私は首を縦に振ってうなずいた。

「まだいつかは決まっていないんですけれど、結婚する予定です」

続けて返事をした私に、
「そうか、幸せそうで何よりだね」
と、細貝さんは言った。

「あの、細貝さんは…?」

呟くようにそう聞いた私に、
「去年の暮れに、ここで知りあった人と結婚をしたんだ」

細貝さんは答えてくれた。

「ああ、そうなんですか。

細貝さんも幸せなんですね」

そう言った私に、
「もうすぐで子供も産まれるんだ」
と、細貝さんは続けて言った。

「じゃあ、パパになるんですね」

「うん、だから今よりももっと頑張るつもりだよ」

細貝さんは首を縦に振ってうなずいた後、
「じゃあ、仕事に戻るから。

桜井さんと話ができてよかったよ」

そう言って、その場から立ち去った。
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