東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~
そんな彼をかわいいと、私は思ってしまった。

「私の今の恋人は、光明さんですから。

私がおつきあいをしているのは、光明さんですからね」

そう言った私に、
「はい、わかっています」

光明さんは首を縦に振ってうなずいてくれて、抱きしめていた両手を離してくれた。

「じゃあ…部屋に戻って少し休んだら、夕飯を食べに行きましょうか?」

そう言った私に、
「いいですよ、つづりさんは何か食べたいものがありますか?」

光明さんが聞いてきた。

「そうですね…。

やっぱり、神戸にきたから神戸牛が食べたいですね。

友人から聞いたんですけれども、この近くに神戸牛のステーキを出してくれるお店があるんだそうです」

「いいですね、ぜひ行きましょう」

私たちは笑いあいながら、部屋に戻るために足を向かわせた。
< 270 / 271 >

この作品をシェア

pagetop