東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~
翌朝、いつもよりも2時間遅い9時に起床した私は朝ご飯を食べるとすぐに準備に取りかかった。

顔を洗って、簡単にメイクをすると、パジャマから昨日選んだ洋服に着替えた。

髪型はシニヨンにして後ろでまとめると黒のリボンでとめた。

「よし、我ながら上出来だ」

カバンはいつも使っている通勤バッグではなく、夏らしいカゴバッグを選ぶとそこにスマートフォンと財布と折りたたみのカサを入れた。

あ、ハンカチとティッシュも忘れないようにしなきゃ。

左の手首に腕時計を身につけると、これで出かける準備は万端だ。

時間も10時30分とちょうどいい。

最後に鏡で自分の姿を確認すると、自室を後にした。

靴箱から黒のスニーカーを取り出すと、それを履いた。

初めてのデートだ。

副社長の前では失敗しないように気をつけなければ。

自分にそう言い聞かせると、
「行ってきまーす」

ドアを開けて、家を後にした。
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