東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~
時間がお昼近くと言うこともあってか、レストランは混雑していた。

「3人待ちだそうですよ」

順番待ちの表に名前と人数を書くと、私は副社長に声をかけた。

「3人くらいなら大丈夫ですよ」

副社長は答えると、
「どうぞ、お座りください」

私に待ちあいの椅子に座るようにと促してきた。

私が椅子に座ったことを確認すると、その隣に副社長が腰を下ろした。

今のがいわゆる、“レディファースト”ってヤツか?

…よくわからないけれども。

「何か見たいものはありますか?」

副社長が聞いてきた。

「見たいもの、と言いますと?」

私がそう聞き返すと、
「例えば、イルカショーが見たいとかアザラシが見たいとか」

副社長が答えた。
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