東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~
昼食を食べ終えてレストランを後にすると、1時30分にイルカショーが始まると言うアナウンスが流れた。

腕時計で時間を確認すると、
「後10分ですね、行きましょうか」

そう言った副社長に私は返事をすると、早足で会場へと向かった。

会場に到着すると、すでに人が集まっていた。

「前の方が空いてますね」

あまり人が座っていない水槽前の2列を指差した副社長に、
「そうですね、座りましょうか」

私は返事をすると、一緒にそこに腰を下ろした。

「早く始まらないかなー」

そう呟いて水槽を見つめる副社長の顔はとても楽しそうだ。

早くショーが見たくて仕方がないと言った様子だ。

さっきのレストランの時もそうだけど、本当に楽しみにしていたんだな。

どこか近寄りがたい印象を感じてたけど、こんな一面もあるんだな。

「間もなく、イルカショーが始まります」

アナウンスが流れたのと同時に、イルカショーが始まった。
< 69 / 271 >

この作品をシェア

pagetop