東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~
えっ、何をですか…?

まさか、死のうとかそんなことじゃないですよね?

どうかそれじゃありませんようにと願っていたら、
「君は落語に興味があるかね?」

彼は私と目があうと、そんなことを聞いてきた。

「落語ですか?」

落語と言えば、日曜の夕方にやっているあの番組が頭の中に浮かんだ。

あれは落語と言うよりも大喜利なのだけれども。

そんなことを思っていたら、
「どうだね、一緒に落語を見に行かないか?

今週の水曜日、君の都合がよければの話なんだが」

男はそう言ってきた。

「は、はあ…」

えーっと、これはどう言うことなんだ?

何で落語を見に行こうってなっているんだ?

さっきまでの落ち込みようは一体どこへ行ったんだと聞きたくなるくらい、彼のテンションはあがっていた。
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